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“THMIS mama”~お洒落の小部屋~

読んで楽しや、見て楽しい♪お洒落の小部屋が綴る、ユーモアたっぷりに、笑って過ごせる「生活応援情報」ダイエット・エステ・ファッション・社会・ビジネスと、トコトン学んで笑って“ハイ!スマイル~~♪

窓の外。

  1. 2015/11/30(月) 08:43:37_
  2. 友達、恋人、恋愛、結婚、家庭生活
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健介が風花の店に入ると、すぐに大木則子が健介に手招きして…、
「ねね、奈々ちゃん…どうかしたの…???なんだか…。」
と、小さな声で…。

そんな則子に…、窓際のテーブルで、
椅子に座って窓の外を眺めている奈々子を見て、
「ん…???…ふふ…、まぁ…少しな…。…でも、大丈夫だよ。」

そう則子に言って、手を振り、窓際席に向かう。


「なに浮かない顔してんだよ。」
「…ん…???あぁ…健介…。待ってた。」

「さて…と…。」
「健介…、わたし…ね。」

そう言いながら、奈々子、少しだけ目を潤ませながら…。
「どうしよ…。」


そこに則子、健介にコーヒーをテーブルに置いて、
ちらりと奈々子を見て…。

そんな奈々子…、すぐに窓を向いて、少しだけ鼻水を啜る。

則子…、
「奈々…ちゃん。」

そう言って、健介を見る。

健介が、真っ直ぐに奈々子を見ながら、
そして則子に目配せして、コクリと頷く。

その合図に応えるように則子は席を外す。

健介…、小さな声で…、
「奈々子~、奈々子~。」

窓の外を見ながら、奈々子、とうとう頬に涙を伝わせ…。
「会ったんだってな…紗友莉と…。」

「…うん…。えっ…???」
優しそうな目をして健介。
「…健介…どうしてそれ…???」
コーヒーを一口啜って。

「…うん。本人から…聞いた。」
「えっ…???」

「紗友莉、本人の口から聞いた。」
「…彼女…、鮎川さん…。」


「泣きながら話してくれたよ。」
「そう…だったの…。…じゃあ…。」

「…ん…???じゃあ…って…???」



窓の外。


※※※※※※※※※※※※※

   



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「早っや~!」

  1. 2015/11/29(日) 05:43:09_
  2. 友達、恋人、恋愛、結婚、家庭生活
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アトリエのドアを開けて、部屋の中に入る。いきなり、
「おはよう、健介。」

と、にっこりとした笑顔で健介の顔を見る紗友莉。
「おは…、え~~おま…、紗友、早っや~!」
「当然でしょう~!これから、どんくらい忙しくなってくるか分かんないからね~!覚悟しておかなきゃ。」

そんな紗友莉を見て、こちらも笑顔の健介。

「どんだけの仕事が入ってくるやら、全く…河合拓哉、片倉奈々子様々だよ~~!」
と、健介の顔に左手人差し指を数回向けて、紗友莉。

「はいはい。」
と、言いながら、とんとんと首の後ろを叩く健介。
そこにドアを開けて、スマホを見ながら部屋に入ってくる淑子。

「おはよう淑子。」
「…ん…。???あっ、うぇ…、さ…紗友…???びっ…、びっくりした~!お…おはよう~!…って…ちょっ…早くない…???」

そう言いながら淑子、チラチラと健介の顔を見ながら…。
その健介も紗友莉を見て、そして淑子に顔で合図する。
昨日の紗友莉は何処へやら…。

そんな紗友莉を見ながら仕事の準備に掛かる健介と淑子。

「…ん…???どしたの…2人共…???」
紗友莉。

「…ん…、いや…別に。」
健介。

「ははは…何でもない、何でもない、はは…そう…頑張りましょう。」
と、淑子。

その日のお昼過ぎ、外で昼食を摂っている健介のスマホに奈々子からの電話。

「健介~私…あのね…。」
「…ん…、あぁ…分かってるよ。」

「えっ…???」
「今日…大丈夫か???」

「えっ…、あ…、うん。」
「じゃ、その時に…。」



「早っや~!」


※※※※※※※※※※※※※

   




「私のわがまま…。」

  1. 2015/11/28(土) 19:02:22_
  2. 友達、恋人、恋愛、結婚、家庭生活
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「どうしようも出来ないよ私…。そのまま…店…出てきちゃった。…どうすることもできない…わたし…。」

「ふぅ…、そっか…、見てたんだ、あの時の俺と彼女…。」

虚ろな目をして、コクリと首を縦に振る紗友莉。
「わたし…、どうしようもないって、感じる。逆に…健介の事…、怒れない。私なんて…。」
「紗友…、おま…。」

ここまで話して、ようやく涙が出てこなくなった。
両膝を合わせて、今度はその膝の上に、自分の顎を乗せ、
そして放して…。

「ジミーとも、拓哉とも、単に、私の一方通行。私が勝手に、自分で思い込んでいただけ…。ジミーのファーストインプレッションに…。そして拓哉の優しさに…。どうしようもないよ。」

黙ったままで、紗友莉を見つめる健介。
そして少し間を置いて紗友莉が、健介の顔に向き、
「健介…???」
「…ん…???」


健介の目をじっと見て、そして…。

「い―――だ!!!」

そんな紗友莉を見て健介がキョトン。
「おま…紗友!!!」


「健介…、これ…最後だよ、私のわがまま…聞いて…。」
「…ん…、何だよ???」

その健介の声が終わる前に、紗友莉は健介の体に抱き付いた。
「…ん、おい…。」

力強く健介を抱き締めて、
「お願い、少し、このままにしていて…。最後だから…。」
「…ん…???」

黙って健介を抱き締め、そして少し身体を揺らしながら、
「バカな女だよ、お前は…紗友莉は…。」
と、静かに独り言。

「紗友…。」


「大丈夫だよ…健介…。もう…。バイバイしなきゃ…。」



「私のわがまま…。」


※※※※※※※※※※※※※

   




唇を震わせながら…。

  1. 2015/11/27(金) 18:37:14_
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「ほら…、いつだったか、私がメーカーのイベントに招待された時、あったじゃない。」

直ぐ様、健介の頭に浮かんだのが、初めて見る奈々子のモデルの姿。
そして、夕方の、また仕事姿になった奈々子…。

「あの日の夕方…、イベントの帰りの二次会に向かう途中で、遠くから…健介と彼女が、肩寄せ合って歩いているところを見たのよ…。」
「……。」

「でも、その時はまだ、その彼女が、片倉奈々子だとは知らなかった。」

健介は左手でしっかりと口を押さえるようにして…。

「…でも、あの、辺見さんとの食事の時…、お店を出て行く彼女を見て、どこかで見たような印象を受けたの…。」

ゆっくりとため息を突き、空を上目遣いで見ながら、
一度紗友莉を見てまた前を向き、
「…で…???」

「…そして…今日のお昼過ぎ…。…ある書店で…、ばったり…、彼女に会ったの。余りに偶然…。」
「…それで…か…。」

「あんな綺麗なモデルが…、本屋で…、しかも…あんな…恰好で…。」

そう言いながら、また涙が溢れて、小さな言葉になって…。
唇を震わせながら…。

「レジ…してるのね…彼女…。はぁ…ん…。黒縁の大きなメガネ。そして髪型なんて…、両側からフィッシュボーン。全く目立つ訳ないよ、あんな恰好…。うっ…あぁ…。」

黙って紗友莉の泣きながらの話を聞く健介。

「…でも…あの人が…片倉…奈々子。ネームプレート見て…、確信した。…彼女も…私を見て、驚いてた。」



唇を震わせながら…。


※※※※※※※※※※※※※

   




「私…、見ちゃったの…。」

  1. 2015/11/26(木) 08:47:35_
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紗友莉は再び両膝に顔を埋め、また上げて、首を縦に振り。
「笑っちゃうよね、私…。余りの馬鹿さ加減に…。ん…。」

涙声になり、そして鼻水を一生懸命に、
テーブルにあったティッシュペーパーで拭いながら…。

「優しく…された人…、それってね…。拓哉なの…。河合拓哉。」

その時、その名前を聞いた健介自身が、
「!!!!」

「おま…、あの…河合さんと…???」
「…ん…。」

「おいおい…おま…。え~~!」

今度は肩をだら~んと落とした健介…。
「えっ…、でも、おま…、あの河合さんって…確か…。」
「…ん…、そう…、結婚してる。」

「…だよな…、この前…。…じゃ…なんで…???」
「…この前の食事した時に…、初めて知った。彼と出会ったのも随分前になるの…。」

「……。」
「…もぅ…、どうしようもないよ…。」

「…って…、言うか…。…でも、それって…、今日の昼過ぎのおまえの…、どう…繋がるんだよ…???」
「……。」



「紗友…???」
「健介…。」

「…ん…???」
「私…、見ちゃったの…。」

「…えっ…、何を…???」



「健介…、怒らないで…聞いてくれる…???」
「何を…???」

「私…見ちゃった…。健介と…片倉…奈々子…。」
「!!!」



「人違いだと思って…、もう一度見たら…、やっぱり…、健介と…片倉…奈々子…だった…。」

その時、健介は口を開け、右手で口を塞ぎ、額に当て、
紗友莉に言う言葉が出て来なかった。

数秒程、沈黙が続き、今度は少し、
いつもの口調に近づきながら…。



「私…、見ちゃったの…。」


※※※※※※※※※※※※※

   




健介以外の人…。

  1. 2015/11/25(水) 11:01:57_
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身体をまっすぐに…、そして顔を健介の顔と逆方向に向き、
「はぁ…。…ん…。」
「紗友…おま…。」

顔を別の方に向けても…涙は流れてくる。
右手で拭っても…、それでも…。

そしてまた両膝の中に顔を埋めて…、肩を震わせながら…。
「…うっ…、うっ…。」

紗友莉の背中をさすりながら…、
「紗友…莉…。」

「ごめん…。本当にごめん健介。」
今度は少ししっかりとした声で…。
「…私…健介以外の人と、今まで…付き合っていた。…ごめんね…。」
「俺以外の…???」

「…そう…、でも…健介も知っている人…。」
「…俺も…???」

その瞬間、健介の頭に浮かんだのが、
紗友莉の机にあった雑誌のあの…顔…。

「まさか…、紗友…、おま…、あの…デザイナーと…???」
「……。」

「そっか…。そうだったか…。」

そう言いながら健介は紗友莉を見ていた目を…、
今度は前を向いて…。

「そっか…、おま…あのデザイナー、ジミーと…。」

紗友莉がゆっくりと顔を上げて、頬を伝う涙を右手で、
左手で拭って、そして鼻水を啜って…。今度は、また掠れた声で…。
「…ん…。…でも…、ダメだった…。うっ…。」
「…ん…???」

「彼に…、婚約者…いた…。それでも彼…、日本でも別の女性と…。私なんて…、太刀打ち…。」

そう言った途端に、自分が惨めになり…。

「ばかだよわたし…。」
「…ん…???」

「そんなジミーさんと、別れた後に、今度は…、優しくしてくれた…人に…今度は…。」
「優しく…された人…???」

「…ん…。」



健介以外の人…。


※※※※※※※※※※※※※

   




「ごめんね…。」

  1. 2015/11/24(火) 06:33:18_
  2. 友達、恋人、恋愛、結婚、家庭生活
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それでも紗友莉はスマホを触ろうともしない。
そして、それから数分後。

ドアの暗証番号の画面に4桁の番号が表示され、ロックが解除された音。
静かにドアを開け、部屋の中に入る健介…。
膝を抱えている紗友莉を見て、
「紗友…、おま…。…一体、何が、どうしちまったってんだよ、え~???」

両膝に顔を埋めている紗友莉。中々顔を上げようとしない。
けれども、やがて健介から肩をさすられ…。
「紗友…。」

健介も紗友莉の傍に座り…。涙でぐしゃぐしゃになった顔を起こして、
小さな掠れ声で…、
「けん…すけ…。」

そういう紗友莉を、
「なに、やってんだよお前…。」

そう言いながら紗友莉の左肩に左腕を回し、抱き寄せる健介…。
そうされながら、また紗友莉は健介から抱き締められながら、泣き出す。
「けん…すけ…、けん…すけ…。」

そして、少し間を置き、また小さな声で…、
「ごめんね…。」

泣き声の間に、ポツリと声に出した言葉。
そのままの状態で、
「…ん…???…一体…何…???」

数秒の間を開け、その後、ゆっくりと健介の左腕を自分で解き、
また小さな声で、
「けんすけ…。」
思いっ切り鼻水を啜り…。

健介が…、
「…ん…???」

「…わたし…、けんすけを…、」
「…ん…???俺を…???」

「…けんすけを…、うらぎってた…。」
「……。」

「わたし…。ほかのひとと…。」
「…ん…、紗友…。」

「ごめん…な…さい。けんすけの…しらないあいだに…。」
「…ん…??? 俺の…???」



「ごめんね…。」


※※※※※※※※※※※※※

   




切れた電話…。

  1. 2015/11/23(月) 18:18:43_
  2. 友達、恋人、恋愛、結婚、家庭生活
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電話の向こう…、沈黙…。
「おい、紗友。紗友莉!」
「……。」

「…ったく~今度は、だんまりかよ~おいおい!」

その時、電話の向こうで小さな泣き声。
「…ん???…泣いてんのか…???おい…紗友…!!!」
「…ん…、ん…。」

「なんだよ、なにやってんだよ、おま…。紗友!!!」
健介の声を聞いただけで、自然に…涙が溢れて、頬伝う紗友莉。

「…ん…、ん…。はぁ…、ん…。けん…。あ…、ん…。わた…。ん…。」
「紗友ッ!紗友ッ!!!」

「あ゛―――ッ!」

その泣き声が聞こえた瞬間…、プツリと…電話は…切れる。

「おいおいおいおい、なんだってんだよ、おい!!!!」

プツリと切れたスマホの画面にそう言い放ち、
立ち上がり、空を殴りつけるように…。

そして、直ぐ様上着を肩に部屋の玄関に向かい、外に出て、通りに出る。

タイミング良くタクシーを拾い、運転手に行き先を告げ、
夜の東京、車の流れに紛れて行く。



パジャマ姿に、洗い髪のまま絨毯に両足を伸ばし、
ベッドサイドに背中を付けたままの紗友莉。
目を赤く染め、鼻先も赤く染め、そして、ゆっくりと両膝を起こし、
両腕で抱き、顔を埋める。

そうしている内に、玄関のチャイムが鳴る。2回、3回…。
両膝に埋めた顔を上げ…、
「健介…。」
と、一つぽつり。

けれど…、それ以上、言葉が出ない。
部屋の外では健介が、チャイムを押した指を放し、
スマホを取り出しメール送信。

ベッドのライトと机のスタンドの灯りだけの仄暗い部屋の中で、
紗友莉のスマホにメールが受信される。

「健介…。」



切れた電話


※※※※※※※※※※※※※

   




「赤くなってるよ。」

  1. 2015/11/22(日) 09:02:38_
  2. 友達、恋人、恋愛、結婚、家庭生活
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「でも~本当に凄いよ奈々ちゃん、ウチの事務所でも、今や…群…抜いちゃってるもの~!」
と、秀美。

「そ~んな事、ないよ先輩~!」
と、顔を両手で覆う奈々子だが、
「ううん…、これだけはハッキリと言っちゃう。多分、これって、天性なのかも…。どんなに私たちが頑張っても、あれだけのアクションやモーション、それに雰囲気って、出せないもの…。これは事実。…でも、それでいて…そんな撮影が終わった途端に…全く…モデルっぽくないのよ…この人って…。ハハ…。」

「やっぱり奈々子は、不思議な人なんかね~!」
と、奈津子。
「そ~んなんじゃないってばぁ~!」
と、奈々子。

「ハハハ…赤くなってるよ、この子…。」
両手の平で顔を扇ぐ奈々子を見て康子。

「でも…、奈々ちゃんが、そんな凄いモデルになっちゃってる事…、店長…???」
そう言う伸実に、奈津子も康子も、揃ってVサイン。
「へぇ~凄ぇ~!」

「とうとうここまで来ましたか…、嬉しいですね~って!」
と、奈津子。

「へぇ~そんな事、言うか店長…!」
「もしかしたら…一番喜んでいるの…って…、刈谷店長…なのかも…。

「…ってね~!さっ、もっかいみんなで乾杯!」
と、音頭を取る康子。

ペロリと舌を出し、秀美と顔を見合わせる奈々子。



「…ねぇ…、わたし…。起きてる???」
「起きてるから、出てんだろ???」
紗友莉からの電話を受け、コーヒーを一口啜る健介。

「紗友…、お前…どうかしたか…???何かあったか…???」
「……。」



「赤くなってるよ。」


※※※※※※※※※※※※※

   




洋服を引っ張る奈々子。

  1. 2015/11/21(土) 05:31:16_
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「ちょっと、ちょっと、伸ちゃん。もしかして…、今来たばかりじゃ…???」
と、奈津子。

伸実、秀美を見て、奈津子に、
「…そう…だけど…???」
「んじゃ、いいじゃん、いいじゃん、一緒、一緒。」

その奈津子の言葉に…、
「えっ、え~!!!い…い…の…???」
と、伸実。

その奈津子の言葉を聞いた瞬間に、すぐさま、体を移動したのが奈々子、
必然的に秀美の洋服を引っ張り、
「ほらほら…、一番が奈々子だよ。歓迎してるよ、アハッ!」

秀美が自分の洋服を引っ張る奈々子の頭を撫でながら…、
既に奈々子の傍に座ろうとしている。

伸実が…、
「じゃあ…申し訳ない。お邪魔…します。」



テレビの傍のカラーポックスの置時計、午後8時を回っていた。
スタンドの灯りだけ、ベッドは空。
部屋の隅から漏れる淡い灯り、紗友莉はシャワーを浴びていた。



駅まで路上で自分のスマホを見る。
そしてホームでも一度スマホを見る。
全く紗友莉から電話かメールの来る気配はなし。
スマホを上着の内ポケットに入れながら健介。
「やれやれ…、何考えてんだか…。」
と、ぽつりと漏らし、目の前の開いた列車のドアの中に…。




「いやはや…奈々ちゃんが、あの今、話題のファッションモデル。…へぇ~!…で、秀美の後輩って…。とんでもない偶然じゃん、これって…。」
と、秀美の旦那の伸実。

「…って言うか…、私だってビックリ、奈々ちゃんのこの恰好見たら…。」
と、秀美。

「まぁ…いろいろと…訳ありで…ねぇ~!」
と、奈津子。



洋服を引っ張る奈々子。


※※※※※※※※※※※※※

   




「何が…どうなってる…。」

  1. 2015/11/20(金) 10:35:06_
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「えっ…???何が…どうなってる…???」
と、言うのが、ふたり以外の奈津子、康子、そして伸実の3人。

「えっ…おい、秀…、奈々ちゃん…???」
と、伸実。

「もしか…して、ふたり…とも…、本当に知り合いか…何か…???」
と、奈津子に、康子。
それに最初に口火したのが奈々子…。

「…その…実は、私の所属しているファッションプロモーションの…、コチラ…大野秀美さん…。私の…先輩…なんです。」
「……えっ???」
と、奈津子と康子。そして…キョトンとしている伸実…。

そして次に、
「うそ――――っ!!!」
と、いきなり大きな声を出した奈津子。

「んじゃ…、ここに、これから日本一になるモデルが揃ってるって事…。ひえ~~!」
「奈津さん、奈津さん…、そ…そ…それは、ないない、ないない、ないよ~~!」
と、奈々子。

「いや…びっくりした、秀…美…さん。綺麗だから、…だから…もう…、いやはや…。」
と、奈津子。

「えっ、えっ…、ちょっと待った…、奈々ちゃん…君って…???」
「あっ…、そうだ、そうだ、伸ちゃんは…まだ…知らなかったんだ。」
と、康子。

「えっ…何…、どういう事…???」
と、伸実。

「実は~うちの奈々子…、今じゃ、人気上昇中のファッションモデル…、片倉…奈々子なのよ~!まっ…恰好は今…こんなだけどね…。ふふ…。」
と、康子。

「えっ…うっそ…???」
「…つうか…もう…奈々子…言ってたじゃん。」

「あっ…、あっ…、あ~~!あ~~!」
「何なのよ、そのトーンが上がったり、下がったり…???」

「はは…いや…???」



「何が…どうなってる…。」


※※※※※※※※※※※※※

   




くしゃくしゃな顔…。

  1. 2015/11/19(木) 09:15:34_
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「おい…、ちょっと…、秀…、こっち…。」
と、自分の妻を奈津子たちの前に…。

伸実から肩を抱かれて、その時、奈々子が何気なくその女性に目を向けた時に、
「!!!!」

「どしたの…奈々子…???」
と、奈津子。

「…んじゃあ…、俺の…奥さん。…秀美です。大野秀美。…こう見えて…、モデル…やってんだ。」
「…大野…秀…美です。…あっ、初めまして…。主人が…いつも…、お世話に…。」
と、秀美。

「へぇ~~モデル~~!綺麗だと思った~!はは…、じゃあ…奈々子…、あんたと同じじゃん。」
と、奈津子。
「……。」

間が…悪過ぎる~と思いながら、顔を奈津子の前に…、
目を閉じて、顔をくしゃくしゃにして…奈々子…。

「へっ…???何…???奈々子…???」
と、奈津子。

「…あのぅ…、今…何て…おっしゃい…奈・々・子…って…???」
と、秀美。

「うん、そう…、その人もあなたと同じ、モデル…。奈々子、片倉…奈々子。えっ…、もしかして…、知ってる…???」
と、その奈津子の声に…、必然的に自分のすぐ前の女性に目をやる秀美。


「片…倉…奈々子…って、すみません、あなた…???」

どうしようもなく、秀美の前に顔を向けて、
黒縁のメガネを秀美の前で外して…、変顔してみせる奈々子。

「あ゛――――ッ!奈々ちゃん…。」

「ごめ~~ん秀せんぱ~い!」
と、言いながら、秀美に思いっ切り両腕を差し出して、
そんな奈々子を嬉しく受け入れ、抱き締める秀美。

「なんで、奈々ちゃんがここに…???ええ~~うそ~???なんで…こんな恰好…???」



くしゃくしゃな顔…。


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奇遇。

  1. 2015/11/18(水) 05:42:49_
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  「な~んだかね~ふふ…、気分いいや~!もう一杯。」
と、半分残った生ビールを一気に飲み干して、
テーブルのボタンを押す奈津子。

「おいおい、奈津~!大丈夫なのあんた~!」
と、康子。

「ハハハ…奈津さ~ん。」
と、奈々子も笑いながら…。
でも、笑ってはいながらも、奈々子の頭の中の別の場所では、
お昼の鮎川紗友莉との事…。



「あれ…???皆さん…お揃いで…。どしたの…女子の飲み会…???」
いきなり顔を出した書店店員の景浦伸実。

「おっと~びっくり、奇遇だね~伸ちゃ~ん。」
と、奈津子と康子。

奈々子も、自分の後ろからいきなり声を掛けられたのに驚いて、
「びっくりした~!ふぅ~!伸さ~ん。」
「おいおい、そんなに驚く事ぁ、ねえだろ…???こっちだって、あれ…???って、思ったんだから…。」
と景浦。

「何々…、そっちの方は…、彼女~???」
と、康子。

「…ん…???ああ、これ…???いん~や…、彼女と違う…。あっ、そっか…初めてだった。お…れ…の…、カミさん。」
と、景浦。

「えっ、うっそ!!!伸ちゃん…け…、結婚…してたんだっけ…???」
と、奈津子。

「ん~。まぁ…ね。でも…籍もまだ入れてないし、結婚式って、まだ挙げてないんだけど…。しかも夫婦別姓だし…。ただ、夫婦生活は…してるけどね…。」
「…っと…言う事は…つまりは…今で…言う…事・実・婚…???」
と、康子。

「ちょっと、ちょっと、伸ちゃ~ん、紹介してよ、綺麗な人じゃな~い。」
と、奈津子。

「えっ、えっ、紹介って…。はは…。」



奇遇。


※※※※※※※※※※※※※

   




細やかながら…。

  1. 2015/11/17(火) 10:46:04_
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仕方なく紗友莉にメールを送る健介。
「何かあったのか…。お前、いつもと違うぞ。」

そのメールの音に、一度は気付いて浅い眠りから目覚めた紗友莉だったが、
メールの相手が健介…。

「…け…んす…け…。でも…今は…だめ…。」

ベッドの上で、健介からのメールを読んで、それでも返信する事なく、
ゆっくり仰向けになり、天井を見つめて、
そして目を閉じて今度は右に身体を向ける。



「かんぱ~い。キャハハハ~奈々子~!」
女同士で近くの居酒屋で、細やかながらの奈々子の「おめでとう会」である。

奈々子は何度も頭を下げて奈津子と康子にお礼をする。
「…ふふ…。あらためて、奈津さん、やっさん。ありがとう…。ニッ。」

その奈々子の顔を見て、
「まっさかね~この奈々子が…、モデルだったなんて…。」

そう言いながら、少し…瞼を赤らめる奈津子。

「もっの凄く嬉しい~最高だわ奈々子~!」
「へへへ…サンキュ~!」

「ねぇ~!あの写真…見て、ほん~とにびっくりしたもの…。ねぇ~奈津~!」
と、康子。

「へへへ…、黙ってて…、ごめん…ね。」
「だって、だって…、全く…の…別人だもの、あんた。ぜん~ぜん…想像つかない。その髪型に、そのメガネ…。度…入ってんの…???」
と、奈津子。

「ううん…、度は入ってないの、これ…プラスチックだから…。でも…実は…私…近眼なんだ。コンタクトしてる。…で、この髪は…、この方が…逆に…目立たないし…。」
「ふふ…。」
と、奈津子。



細やかながら…。


※※※※※※※※※※※※※

   




重い身体。

  1. 2015/11/16(月) 06:09:57_
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実際、今日の午後のように、駅の改札を通り過ぎた後は、
どこをどう歩いているのかさえも分からなかった。

ただ、周囲から見れば、通り過ぎる人の流れの中にただひとりだけ、
その流れに逆らう姿…と、言う風に…。


もう…どれくらい歩いただろう…。
いつもならもうとっくに着いているはずの自分のアパート…、気付けば…。

「…えっ、やだ…、まだ…こんなとこ…???」

ふと足を止め、前を見て、そして、右を見て左を見て、
そしてゆっくりと後ろを向いて、歩いて来た道を見つめる…。
そして、一言…。
「健介…。」

そしてまた…涙。それを右手の甲で拭いながら、
路面をパンプスの踵でさりげなく蹴飛ばすような感じでまた、前に振り向き、
今度はいつも通りの歩き方で…。

それでも涙は流れてくる。

そして、いつの間にか小走りになり、涙を拭いながら、
駆け足でアパートの玄関までたどり着き、ベッドに上半身を預けていた。

何故だか、身体を動かす気にもなれなかった。
腕時計を見ながら…、
「…まだ…7時過ぎ…。」

それでも自然に乾いた涙のままで、とにかく…、
「…からだ…おも…。」

そして、目を閉じれば…鬱ら、鬱らと…。
バッグの中ではスマホに着電。
薄いブルーの灯りが暗がりの部屋にバッグの中からわずかに漏れる。

その音と灯りに気付きはするが、全く身体が動こうとはしない。



時間を置いて3回目の電話を掛ける健介。
「何やってんだ、紗友のヤツ。全然出ねぇや。…ったく~!」



重い身体。


※※※※※※※※※※※※※

   




「こっちが聞きたい…。」

  1. 2015/11/15(日) 19:05:19_
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「紗友…、何かあったの…???あなたなら…知ってるんじゃ…???」
「えっ…俺が…???いや…、全く……見当も…???」
と、淑子の声に健介…。

「あなたが、会議に行ってくるって、部屋を出た後、紗友…泣いてたのよ。」
「泣いて…???」

「うん。理由は全く分からなかったけど…、最初はテーブルに抱えていた雑誌の入った紙袋をバサッと置いて、両手を着いて、髪をダラリとさせて…。」
「……。」

「そうしたと思ったら、今度は自分の机の上で両腕に顔を埋めて…泣いてたのよ。」
「……。あい…つ…が…???」

「私が…どうしたの…なんで泣いてるのって、聞いても、何でもない、何でもないって…。…で、トイレに行って、戻ってきたらもう…仕事仕事って、あの調子…。」
「……。あいつ…、な~にを…???」

顔を少し低くして淑子、健介の顔を下から覗く様に…。
「…健介…、ほ~んとに…知らない…の…???」

「えっ…???俺が…???知る訳ないじゃん。…ったく…、どうしちゃったってんだよ。こっちが聞きたいくらいだ…。…やれやれ…。」



帰り道。歩いていても、電車の中でも、顔はうつむいたまま。時折ため息をつき。
そして、それと同時にまた目頭が熱くなり、自然に涙が頬を伝う。
それを何気に右手で拭いながら…紗友莉。

夕方のラッシュ時、ホームに降り、力なしに人の波に飲まれるように…。

誰かが自分の肩にぶつかったとしても、
余り感じないように…。



「こっちが聞きたい…。」


※※※※※※※※※※※※※

   




「みんなにばれてるよ。」

  1. 2015/11/14(土) 05:59:22_
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「どうして…これ…2人とも…???えっ…、え―――――ッ!!!」

まずは、にっこりと康子。そして奈津子はもう、奈々子を抱き締めたまま、
「奈々子~愛してるよ~!」
「えっ…、えっえっえっ…、奈津さん、やっさん。私…???」

康子が…、
「ふふふ…、奈々ちゃん、もう…みんなにばれてるよ。奈々ちゃんの本当の顔…。ははは。」
「…そんな…何が…どうして…え~~???」

「だって…こんな風に、大々的に書いてありゃ、見りゃ、分かるでしょ。ふふ…、おめでとう。」

初めてその雑誌を手に取りまざまざと見ながら…、奈々子。
「あ~~~!奈津さ~ん、やっさ~ん。」

そして、3人で抱き合い、
「やった、やった、奈々子やった~~!」
「あ・り・が・とう~!」
と、言いながら涙を流して喜ぶ奈々子。

「頑張りな、奈々子、ここまで来たら、日本一、いや…世界一のモデル、目指しな。あたしたちも、応援するよ。」
と、奈津子と康子。

「でも…刈谷店長…???」
「ん~~!」
と、にっこり笑顔の奈津子と康子、OKサインを奈々子に見せて。
「え~~本当~~!!!ワハッ!」




殆ど会話もなく、黙々と自分の仕事を片付けて、チラリと健介を見て、
「お先…、私…帰るわ。」

そうポツリと一言、そしてバッグを持ってドアに向かう紗友莉。
「あ~お疲れ…。…って、えっ…???紗友…???」

と、声を掛けたが、既にドアを開けて廊下に…。

頭を傾げて…、
「どしたの…アイツ…???」

「ねぇ…健介~室長…。」
と、部屋の隅から歩きながら淑子。



「みんなにばれてるよ。」


※※※※※※※※※※※※※

   




奈津子の肩を叩いて康子。

  1. 2015/11/13(金) 19:05:54_
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 鮎川紗友莉との対面がかなり奈々子の胸には激しく衝撃的だった。
否応にも、その衝撃を午後からは引き摺りながら…。

それでも、もう一方では、少し腑に落ちない事も…。

夕方のスタッフルーム。奈々子が仕事を終え着替えている。
そこに…奈津子と康子が入ってきて、
「はい、奈々子、お疲れ…、お昼過ぎのあれ…、どうしたの…、心配したけど…。大丈夫なの、あんた…???」
「はは…奈津さんやっさん、お疲れ様。御心配…お掛けしました。大丈夫です。」
と、ふたりにお辞儀をして…。

「大事な体なのよ、あんたは…。もう…気を付けて。」
「…あのぅ…、奈津さん…。その…私…大事な体って…???えっ…???」

その時、奈津子…突然、口に手を当てて…渋い顔をして…、
「あっ…私…やばっ。」
「えっ…奈津…、あんた奈々ちゃんに、何か言ったの…???」
と、康子…。

「えっ…何か言ったのって…???やっさん…何…???」
と、奈々子。

「ふふ…。」
と、笑いながら、奈津子の肩を叩いて康子。
申し訳なさそうに…奈津子。
「この…トンチンカンが…。」
と、自分の頭を叩きながら…。

「奈々子―――ッ!」
と、奈々子の名前を呼んだかと思ったら、
両手を大きく広げて奈々子を思いっ切り抱きしめた。

「えっ…、ええええ…、何…どうしたの奈津さん???」
「愛してる~~!」

「えっ!!!愛してるって、何を…私…???えっ…???」

奈々子を抱き締めながら体を揺らす奈津子。
テーブルに重ねられてある雑誌を取り、ページを捲り奈々子に見せる康子。

「えっ…これって…!!!」



奈津子の肩を叩いて康子。


※※※※※※※※※※※※※






「大事な…体…。」

  1. 2015/11/12(木) 05:43:12_
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「奈々子~あんた…ちょっと…疲れてんじゃないの…???」
と、奈津子。

「へっ…???私…???いえ…別に…。どうして…???」
「…ん~なら…良いんだけど…、余り…無理しなさんな。大事な…体なんだから…。」

「えっ…、大事な…体…。私…???」
「ん~良いの、良いの、気にしない、気にしない、ほら…お客さん。」

「…ん…。あっ、あ…いらっしゃいませ。ありがとうございます。」
そんな奈々子を見て微笑む奈津子、
「ふふ…。」



会議が終わってアトリエに入ってきた健介。
チラリと紗友莉を見て。テーブルで作業をして、
次に自分の机に向かって椅子には座らずパソコンの画面を見て、
マウスを使い、キーボードを打ち、そして、またテーブルに向かい、
加工仕様書を見ながら入念にチェック。

健介が、
「紗友、これ!」
と、書類を紗友莉に渡そうと紗友莉を呼ぶが、全く反応がない。

「紗友。」

紗友莉に健介の声が聞こえないのか、目の前の資料に集中している。
「紗友…。」
「……。」

いい加減健介も呆れて、椅子に座り、そのまま紗友莉の方に向かって、
一つ咳払いをして、
「紗~友~莉~!」

その瞬間、紗友莉の体が「ビクン!!!」
「えっ…???あぁ…、健介…会議…終わったんだ。…そ…う…、お疲れ。」

「何…、お前…紗友…、どうしちゃったの…???これ…資料…目ぇ…通して置いて、チーフ殿。」
「…あっ…、あ…うん。分かった。」

「さて…、ちょい…コーヒー飲んでくるわ。」

目も虚ろに紗友莉、
「あ…うん。」



「大事な…体…。」


※※※※※※※※※※※※※

   




あのときの彼女。

  1. 2015/11/11(水) 05:54:59_
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「なんで…、なんで、なんであの人…が…。ここに…。」

ようやく今、見た紗友莉の姿が目の前から消えて、
目であちこち見回しながら…、
「…んもう…やだ~!」

少し潤んだ目、少し赤らんだ頬。両手で顔を何度も拭いながら…、
荒い呼吸。

「はぁ…、はぁ…。…ん…、あ~っ。」

わずかに…数秒だったが、壁伝いのカラーボックスに両手を付いて、
「びっ…くりした~!ふぅ~!」

「奈々子…、奈々子…、どうした…???大丈夫…???」

奈津子が奈々子の異変に気が付いて、レジに駆けつけてきていた。

「へっ…、あぁ…奈津さん。…ん…。んん…、大丈夫、大丈夫、ハハ…。」
「大丈夫って…、顔…赤いよあんた…???それに…何…、泣いてんの…???」

そんな奈津子の言葉に、右手を振り…、
「大丈夫、大丈夫、OKOK。」



どこをどうあるいたのか…、余り記憶がなかった。
ただ足だけは、会社のある方向に向かって歩いていた。
頭の中には、今さっき見た、
少しぼさぼさのヘアスタイルと大きな黒縁メガネの女性。

それが、今人気のファッションモデルの…片倉奈々子。
しかも、あの恰好の彼女が、しっかりと自分を知っていて、名前も…。

「あのときの…健介と一緒にいた、あのときの彼女が…片…倉…奈々子。」

全くの上の空で歩いていた。

「でも…なんで、あの人、あんな恰好で…???…んんん、でも…これが本当なんだ。」

少し口の中が苦かった。それと同時に健介の顔が…、
「健介…。」



あのときの彼女。


※※※※※※※※※※※※※

   




口を噤んで…。

  1. 2015/11/10(火) 07:50:39_
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レジの店員を見る紗友莉。
自然に目が店員の胸のネームプレートに走る…、
「片…倉…奈…々・子。」

その時…、
「お…待たせしました…。あ…、ありがとうございます。」

カウンターに置かれた雑誌を持って…。
少し、蒼白い顔をして…紗友莉…。勇気を出して…、
「あ…な…た…、もしかして…あの…、片…倉…さん…???…片倉…奈々子…さん…???」

口の中が何故かしら…乾いたような感じになって…奈々子。
「あっ…、はい…、片…倉…です。」
「…そ…う…。」

「…あっ…、はい…。」
「…じゃ…あ、私…知ってますよね…???」

「…あ…、いや…、あ…、はい…。たしか…、鮎…川…さん。」

そのまま紗友莉は…口を噤んで…。

「あり…がとう…ございます。3,420円になります。」

あのレストランでの奈々子の恰好とは、全く別人のその恰好を見て紗友莉…、
財布から千円札4枚を出して、
「あな…た…が、あの…。」
「……。」

何も言わずにお釣りを取り出し、紗友莉に釣銭を渡す奈々子。
ぎこちない感じで…。

そして…紗友莉にお辞儀をして、
「ありがとう…ございま…した。」

そして顔を上げた時には、蒼白い顔をして、瞼を赤くした紗友莉の顔…。
口を噤みながら、店の玄関へと…。

そして外に出て、足早にその場を立ち去る紗友莉。

それを見送った途端に、目を閉じて、後ろの壁に背中を付けて…、
「あ~っ。」

数秒…立っていられない状態だった。

「なんで…。」



口を噤んで…。


※※※※※※※※※※※※※

   




その瞬間。

  1. 2015/11/09(月) 08:03:40_
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「へへ…、なん~でもないって~へへ…大丈夫、大丈夫、はいはい、仕事仕事。」
と、鼻水を啜りながら、笑顔を作って、
淑子を背中向きにして肩を押す紗友莉。

「ちょっと…私…トイレね。」
と、頬を右手で拭いながらドアを開けて消える紗友莉。

淑子が…、
「紗友…。」

トイレの鏡に映っている自分の顔を見ながら、また瞼を熱くして紗友莉…。

「紗友莉…あんたって、ほんとに…バカ。…どうすんのよ。…もう…どうにもなんないぞ、もう…。」

そう言って、きつく目を閉じて、目尻りから零れる涙。



…30分程前。
お昼を済ませた後、仕事の素材にとファッション雑誌を買いに、
近くの書店に入った紗友莉。

「あ~あったあった。これっと、これっ。よ~し。」

雑誌のページを捲りながら、レジに向かう。
前の客が支払いを済ませ、カウンターから離れ、
見ていたページを閉じて、カウンターに、雑誌を置いて前を向いた瞬間、
「…ん…???うそっ???…この人…!!!」

そんな紗友莉の顔を見た途端、右手を思わず口に当て、
「…どうして、彼女が、ここにいるの???」

そして、一瞬目のやり場に困る奈々子。

この前、レストランで健介の隣にいた彼女が今、目の前に…。
そして、いつだったか、自分の恰好を一瞬でも笑った当人が、
今、目の前に…。

そして片や…以前、健介の隣で寄り添いながら歩いていた…。
その女性が目の前に…今。

思わず口の中の物をゴクリと飲み込んだ紗友莉。
「この人…ここで…???」



その瞬間。


※※※※※※※※※※※※※

   




ひと粒、そしてひと粒…。

  1. 2015/11/08(日) 11:25:10_
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重い足取りで廊下を歩き、下を向きながら静かにドアを開き、
アトリエの中に足を進める。
その胸には雑誌の入っている紙袋を両手で抱き締めて…。

「…ん…???おかえり紗友…。お昼…済んだんだ???…どしたの…その顔…???」

健介と交替でお昼を外で済ませてきた紗友莉。
「…ん…、食べた。…うん。…別に…。何でもない。」

「ふん…、そっか…。んじゃ…俺…これから会議…。」
そう言って、今アトリエに入って来た紗友莉と入れ替わるように上着を肩に、
ドアに向かう健介。

「…あっ、うん、行ってらっしゃい。」

ドアの向こうに消えて、足音が遠ざかる。
テーブルに持っていた紙袋をバサッと置いて、
両手を着く紗友莉。

その紙袋に、ひと粒、そしてひと粒と…。

「…健介…まさか…、なんで…。そんな…事って…。」

そう言いながら、ゆっくりと顔を上げる紗友莉。
そして頬を伝わる涙を両手指先で拭いながら…。
何処をどう見れば良いのか、分からなかった。

それからゆっくりと自分の机に向かい椅子に座り、
仕事用の写真とファッション雑誌の写真を見ながら…、
「…もう…私…、無理じゃん…これじゃ…。」

ゆっくりと机の上に両腕を置いて、その上に顔を埋める紗友莉。
そんな様子をアトリエの隅で見ていた三枝淑子が、
紗友莉の肩を撫で、
「紗友…、どうしたのあなた…???何か…???」

「…ん…???あっ…、淑子…、へへ…何でもない。」
「…何でもないって…、泣いてんじゃない…???」



ひと粒、そしてひと粒…。


※※※※※※※※※※※※※

   




客としての立場。

  1. 2015/11/07(土) 09:00:09_
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もう既に、そのテーブルでは普段の奈々子と健介の姿があった。
特に何も隠し立てのない、極々そのままの奈々子と健介。

もちろん、レストラン風花の店に入ってくる客には真っ先に、
目に入る女性がモデルの片倉奈々子である事は一目で分かるのだが、
それでもごく自然の客としての立場をわきまえてくれている、
その環境が奈々子と健介には嬉しかった。

そして、時には席を立つ客から自然にお辞儀をされ、
また手を振られる事に気軽に応える事が出来ると言うのも、
幸せの瞬間でもあった。


「奈々子…、愛されてるな…ん…???」
ビールを一口飲んで健介。

「こういうのって、良いよね~!ふふ…。ありがと…健介…。」
「…ん。」



「さてと…。では…行けるとこまで行ってみますか…。逆に…私が…着いて行けるのかしら…奈々ちゃん…???」
と、自分の椅子から離れて窓の外の東京のビル街と緑の風景を眺める奈緒美。




「ちょっと、ちょっと、ちょっと、こんなに…出来るの~健介~室長~!うっひゃ~!」
と、取引先のナテュールからの新規の受注量に、
ブラウスの袖まで捲って、仕事に奔放する紗友莉。

「しかも…何で作ってもいないのに予約が溜まっちゃう訳~???んもう…拓哉―――ッ、奈々子―――ッ!」
と、ひとりごとをぼそぼそと呟きながら…。

「あ~んもう…。どんだけ…。」

河合拓哉と片倉奈々子のコラボが好評なのだった。



客としての立場。


※※※※※※※※※※※※※

   




店員:大木則子の話

  1. 2015/11/06(金) 08:08:21_
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「だって…私たちでさえもビックリしたもの…。最初にふたりが来たとき。奈々ちゃんには申し訳ないんだけど…。」
と、そう言った則子の…ちょっぴり舌を出して、
ウインクをした顔を見て…、奈々子は微笑む。

「奈々ちゃんのあの恰好…。でも、あれから数か月経って、…で、雑誌で奈々ちゃんがモデルだって初めて知って、またビックリ。それからかな…、たま~にくるお客さんも結構頻繁に来るようになって…。でも、そんなお客さんが奈々ちゃんと松下さんを観て、意識して、何か問題が…。…とは思ったんだけど…、全くそんな事もなく、極々普通で…。そしていつの間にか新規のお客さんが増えたの…。何て言うの…、連鎖反応…???ある意味では…お客さんにも恵まれて…。ふふ…。」

「へぇ~そうだったんだ~!知らなかった~!」
と、奈々子…。

「いつだったかね…。あるお客様が…。レジで…、あのふたり…お似合いねって…。楽しかったわ、ありがとう、ご馳走様って…。ものすっごく、嬉しかった。」

そんな大木則子の話を聞きながら何度も頷く健介。そして…、
「じゃあ…俺たちも…ある意味じゃ、お客様に恵まれてたんだ。」
「そうみたいね…。あぁ~嬉しい~!」
と、奈々子。

「では…、ごゆっくり。メニューは…???…あっ…、いつもので…いいのかな~???」
と、則子。

「えらい、ノンちゃん。そこまで知ってる。ありがとう~私…お願い出来る~!」
「かしこまりました。…松下さんも…???」

「おぅ。はは…。」



店員:大木則子の話


※※※※※※※※※※※※※

   




レストラン風花。

  1. 2015/11/05(木) 18:34:53_
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「…で…???かなり…忙しくなっているようですけど…。体…大丈夫なのか…???」
と、健介。

「ん~全然平気。大丈夫だよ~ん。」
と、言った時に、
「はい、いらっしゃ~い。」
と、いきなり、奈々子の前に美味しそうな薫りのコーヒーを、
そして健介の前にも同じように…。

「えっ!!!どしたのノンちゃん。まだ…頼んでないけど…???」
「へっへ~!驚いた…???お店の奢りだよ~ん。」
と、店員の大木則子。

健介も…、
「な…なんで…???」

「これってね~やっぱり…奈々ちゃん効果…かも…???」
と、則子。奈々子も健介も…、
「はい…???」

「ふたりが…この店に…来てから…、結構経つよね…。」
「…そう…だけど…。うん。」
と、奈々子。

「…何で…だか…。それから…、お店の売り上げって…微妙に…右…肩…上がり…。…なんだよね…。」
と、則子。

そして…またふたりで…、
「はぁ~~???」

「これって…、もしかしたら…奈々ちゃんの…お・か・げ…かな…???な~んて…。」
「うっそ…、そういう事まで言う…???」

レストラン風花。何を隠そう、あの日、
健介から電話番号を書いたメモを受け取り、
その後に健介に電話して待ち合わせをしたお店がここである。

場所的にも奈々子と健介には好都合な場所で、
雰囲気にしても店員の態度も気に入っている店となっていた。

「な~るほど…それでか…。」
と、健介が納得したように…。

「道理で、ここに来ると、それだけで落ち着くんだよな~!」
「…でっしょう~ふふ…。」
と、また則子。



レストラン風花。


※※※※※※※※※※※※※

   




奈緒美のイメージ。

  1. 2015/11/04(水) 10:03:43_
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「はい、ありがとう。…お電話替わりました神崎です。はい…、ご無沙汰しております。」

奈々子がモデルとして世間に知れ亘るようになると同時に、
その昔、奈緒美がミス日本になるために支持してくれていた業界が、
今度は片倉奈々子の支持に乗り出していた。

ファッションはもとより、音楽やダンス、そして舞踊に和服まで。
この数ヶ月で、ゆっくりとではあるが確実に奈々子は業界に、
その名を記し始めていた。

「奈々ちゃん…加速してきたね~!」
と、ひとりポツリと呟く奈緒美。

「見つけるの、もっと早かったらな~!はは…、まぁ…今更言っても…仕方ないか。…でも…、これって…。」

奈緒美はかつて自分が躍起になって目指していた「ミス日本」を思い出していた。
…いや…、その他の4大ミスコンのイメージも実際、
奈緒美の頭の中にはあったのだが…如何せん、
既に片倉奈々子と言うモデル、その条件となる年齢の枠を外れていた。



出来るだけ帽子を深く被り、今やサングラスが欠かせない奈々子。
そんな奈々子を出来るだけガードするように、
コチラもファッショングラスを掛けて歩く健介。

奈々子の肩を優しく抱きながら店に入り、出来るだけ窓側の席を選び…。
…と、言うより、もうふたりには馴染みの店となっている。

店員も既に奈々子と健介を承知しており、
他のゲストからは余り目立たない席を用意してくれてもいた。

「ふっ、落ち着いたか…ん…???」
健介。

「…みたいね。」
と、奈々子。



奈緒美のイメージ。


※※※※※※※※※※※※※

   




いつも通り。

  1. 2015/11/03(火) 06:34:00_
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刈谷は、奈津子に話しながら、両肩を落として、
「はぁ…。」
と、息を吐いた。そして、
「ハハ…。」
と、笑い、頭を左右に振りながら、
「嬉しいね~!そうですか、彼女がこんな風に…、認められましたか。ハハ…、良かった、良かった。」

そんな刈谷を見ていた奈津子も…、
ゆっくりと身体を起こして、立ち上がり…、頬に光るものを伝わせながら…、
「へへ…、て~んちょう~な~んで、黙ってたんですか~???…んもう…。」
「…ん…???あぁ…いやいや…、ごめんごめん…。個人的な…プライベートの事で、敢えて話す事でもなかったし…。それに…片倉君のあの恰好を見たら…尚更…、はは…。いや~気分が良い。」

そこに、康子も…、
「あっ、いたいた…、ねっ…、どう…???」

そんな康子ににっこりと微笑んで奈津子、そして刈谷の方を見て、
「…じゃあ…店長…、奈々子には…???」
「…ん…???あぁ、当然です。いつもの通りです。…それは…私の方から…皆さんに…お願いします。」

その刈谷の言葉に、また奈津子は、瞼を熱くして、
「わかりました。いつも通りですね。はい。ありがとうございます。」

そう言って、今度は康子に向かって両手を挙げて突然康子を抱き締めた。

「やった―――っ、私たちの奈々子だ―――っ、うっれし――っ!」
「えっ…???じゃあ、それって…ホントに…奈々…ちゃん???」
と、康子。

「そうだよ、そうだよ、奈々子だよ~やった~~!ハッハッハ~!」



社長室の電話。
「社長、京都の愛禅様からお電話です。」



いつも通り。


※※※※※※※※※※※※※

   




「普段着のままで…。」

  1. 2015/11/02(月) 10:58:22_
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「でもね、奈津子さん。片倉君は、私たちと同じ職員ですよ。これは変りありません。」
「でも…どうして…、奈々子の事…黙ってたんですか…店長???」

「簡単な事です。普段着のままでいて欲しかったんです。」
「普段…着…のまま…???」

「初めてここに来た片倉君は、モデル志望ではありましたが、まだ芽が出てなかった。苦しんでいた。何とかアルバイトでもしながらの生活だったんです。ここも、レジ係りの望月さんが辞めてしまい、何とか人手が欲しかった。その時、ある筋から紹介されたのが片倉君でした。派手でした。けれども、目がとにかく澄んでいた。そして真っ直ぐだった。ある意味…私も…一目惚れでした。」
「…ぷっ…。」
と、奈津子。

「地味な仕事だよ。今の君には似合わないんじゃ…。そう言ったんですけど…。やらせて下さい。お願いします。礼儀がしっかりしていた。…でも、モデルは…、続けさせて下さい。…ってね。とにかく真っ直ぐだった。…でも、一つだけ、今の君のその恰好だけは…何とかして下さい。周囲にも何かしら影響しちゃうから…。…って言ったら、勤務初日に…、あの恰好。」
「そんな…事が…。」

「私も驚いたくらいです。全くの別人。…でも、彼女は頑張ってくれた。…いや…頑張ってくれているよ。本当の自分を隠しながらも…。」
「…そう…だったんだ…。そんな…事が…あったんだ。」



「そうですか…、あの…必死に…モデルになりたかった彼女が…。」



「普段着のままで…。」


※※※※※※※※※※※※※

   




「ここまで来ましたか。」

  1. 2015/11/01(日) 10:02:57_
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店内を見渡し、
「あれ…いない。って~どこ、刈谷さん。」

そして店内から廊下を通って、今度は荷受けの部屋に行くと、
「あ~いたいた刈谷店長。」
「ん~???どうしました奈津子さん。」

「店長…ちょっと聞きたいこと…あるんですけど、良いですか???」
「…ん???何…???」

奈津子のその言葉にキョトンとした顔をして刈谷。

「実は…こういうもの…見つけたんですけど…。」
「…ん…???何々…どれどれ…???」

奈津子が刈谷の目の前に開いた雑誌のページの写真と文字の箇所を、
右手の人差し指で当てながら、
「ここ…なんですけど…。」

「ん~???……。」
「…これって~店長~???」

横目で刈谷を見ながらの奈津子。
数秒ほどその写真と文字を見て刈谷。

「…ふっ、そうですか…、いよいよ…ここまで来ましたか、そうですか…ふふ…。」
「…えっ…???」

奈津子の予想していた表情とは異なり、刈谷はニッコリと微笑んで…、
止めた手をまた動かす。

「…えっ…、って店長…、これって…、もしかして…奈々子の…事…じゃ…???…何ですか…ここまでって…???」

その質問に、刈谷…、嬉しそうににっこりと微笑んで、
「そうです。その写真は、片倉君です。とうとう…ここまで来ましたか。良かった、良かった。」

「え――――ッ、やっぱり…これ…奈々子なんですか―――ッ!あの…奈々子が…こんなに…!!!」
「そうです。私たちの知らない片倉君です。」

「…そ・ん・な…。」

そう言いながらいきなりガクンと床に座り込む奈津子。

「な・な・こ…。」



「ここまで来ましたか。」


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“THMIS”mama

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